自民党総裁選に出馬している高市早苗さん。
高市早苗さんが総理大臣になった際の理念や政策に注目が集まっていますが、そんな中でゲームやコミックに関する法規制があるのかどうかが気になる方も多いと思います。
というのも、高市早苗さんは過去にゲーム・コミックの法規制をすべきと発信しているためです。
高市早苗さんは2021年現在、ゲームやコミックをどのように感じているのでしょうか。
高市早苗さんのゲーム、コミックなどの表現についての考え方についてまとめました。
高市早苗のゲーム・アニメ観は?
2007年「残忍・猥褻なものを法規制すべき」
「高市早苗が総理大臣になったらゲームが規制されてなくなる」といった噂・情報が出回ったきっかけは、2007年9月4日の高市早苗さんの日本会議寄稿文が発端です。
[memo title=”MEMO”]日本会議…1997年に設立された日本の政治団体。日本最大の保守主義・ナショナリスト団体で「美しい日本の再建と誇りある国づくり」を掲げている[/memo]
高市早苗さんは2007年9月4日の日本会議10周年寄稿文で、残忍な殺戮シーンのあるゲームや猥褻なコミック、インターネットの自殺サイトや出会い系サイト、誹謗中傷に満ちた掲示板が青少年の健全育成や安全な社会作りに有害なため、法規制を目指していると明言されています。
そして、山積する政治課題を見るにつけ、解決の鍵は「公徳心」であると感じます。
例えば、残忍な殺戮シーンのあるゲーム、猥褻なコミック、インターネットの自殺サイトや出会い系サイト、誹謗中傷に満ちた掲示板の存在は、明らかに青少年の健全育成・安全な社会作りに有害なものとなっています。現在、私は有害情報への法規制を目指して活動中ですが、「表現・出版の自由、通信の秘密を保障する憲法に抵触する」との批判を多くいただいています。しかし、日本国憲法十二条は、国民に対して、憲法が保障する自由や権利の「濫用」を禁じ、「公共の福祉」の為に利用する責務を課しています。日本会議の皆様とともに、公共の福祉によって制限されるべき自由や権利についても考え、秩序ある美しい日本国を創りたいと願っています。
つまり、高市早苗さんはゲーム自体は認めているものの、残忍や卑猥な表現があるゲームやコミックなどが公共の福祉に反するものとして法規制が必要という考え方なのですね。
[box class=”box32″ title=”高市早苗が規制しようとしているもの”]
- 残忍な殺戮シーンのあるゲーム
- 猥褻なコミック
- 自殺サイト
- 出会い系サイト
- 誹謗中傷に満ちた掲示板
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よって、高市早苗さんはゲームやコミック全体を法規制したいのではなく、あくまで暴力的・性的なものや、自殺や犯罪に繋がりそうなものを法規制したいという考えなのですね。
2007年「子供を犯罪・有害情報から守る」
2007年8月6日、高市早苗さんは自らの公式HPに「有害情報から子ども達を守りたい」というコラムを投稿しました。
このコラムの中でも、高市早苗さんはインターネット上の情報についての危機感を述べ、犯罪に繋がりそうな情報に子供が簡単にアクセスできる現状を変えたいと発信しています。
[box class=”box32″ title=”高市早苗がコラムで語ったこと”]
- 携帯電話やPCを持つ小中学生が増え、フィルタリング普及のための対応をしたものの、ネット上の情報規制に対する慎重意見も多くなかなか規制が進まない
- 出会い系サイトは一定の法的規制がされているものの、実効性については不十分。犯罪被害者の9割以上が女子中高生
- 自殺サイトや猥褻サイトについての規制は全くない。爆弾の作り方などの情報にも、子ども達が容易にアクセスできてしまう
- 残忍な殺戮シーンや過激に猥褻な表現が含まれるDVDやゲーム、書籍についても、子ども達が容易に入手できる現状に危機感を抱いておられる保護者が多い
- 児童買春や児童ポルノの製造・提供・輸出入を禁止する法律はできたものの、単純所持を禁ずる法律が無く、お客がいる限り違法業者は無くならない
- 子どもに対する性行為を描いたコミックは法規制の対象外になっている
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有害な情報に「子供が簡単にアクセス出来てしまう」ことに対する危機感がとてもある高市早苗さん。
2017年7月には「有害情報から子どもを守るための検討会」を立ち上げたということで、危機感を感じているだけではなく、改善するため、法規制を進めるために実際に行動に移しているということですね。
2021年「ゲーム・アニメ業界に投資」
暴力的・性的な表現があるゲームを規制したい考えだった高市早苗さんですが、2021年9月には「ゲーム・アニメ業界を支援したい」考えを述べています。
2021年9月に高市早苗さんは自民党総裁の出馬表明の記者会見を行いましたが、その記者会見の中で、日本経済活性化、国際競争力強化のためにゲームやアニメ業界に戦略的な支援を行っていくことを明言しています。
上の動画では11分30秒以降にあたりますが、高市早苗さんは日本産業の海外競争力を高める政策としてアニメやゲームを戦略的に支援すると言っています。
そして成長投資と人材力の強化で、豊かな未来を切り開いてまいります。
この成長投資というのは、日本に強みのある技術分野をさらに強化し、また新分野も含めて研究成果の有効活用と国際競争力の強化に向けた、戦略的な支援を行っていくことでございます。
現在、日本に強みのある分野はたくさんございます。例えば、ロボット、マテリアル、半導体、量子工学、電磁波、電子顕微鏡、アニメやゲームもそうでございます。
これらの分野につきまして、技術成果を有効活用すること、また人材育成を行うこと、また国際展開にむけた応援を行うなどの、戦略的な支援を進めてまいります。
つまり、高市早苗さんは日本の産業としてゲームやアニメを認めていて、むしろ今後成長が見込める分野として戦略的な支援をしていきたいと言っているのですね。
2021年「マンガ大好き」
意外ですが、高市早苗さんは大のマンガ好き。
上の動画の25分52秒~で高市早苗さんがマンガについて語るシーンがありますが、「うち、すごいマンガ数ですよ」と語っていることから、マンガがとてもお好きな様子が伝わってきますね!
[box class=”box32″ title=”高市早苗のマンガ好きエピソード”]
- 自宅のマンガ数がすごい
- 小さいころからマンガが好きすぎて、隠して読んで母親に怒られていた
- 夢は麻生太郎のマンガ部屋で、ジャージでゴロゴロしながら2日くらい泊まり込みで読みふけること(麻生太郎は地元の豪邸に膨大な数のマンガ部屋がある)
[/box]
高市早苗は総理になったらゲーム規制・廃止する?
ゲーム廃止はない
「高市早苗さんが総理大臣になったら何でもかんでもゲームを規制するのでは?」と心配する声もありますが、実際のところ高市早苗さんは総理大臣になった場合にゲームそのものの規制はしないはずです。
というのも、2021年9月の総裁選で「ゲーム・アニメ業界を戦略的に支援する」とはっきり明言しているからです。
もし万が一ゲームに規制するとしたら、暴力的・性的な表現があるものや、自殺や犯罪を助長するようなネットサイトを規制するよう働きかけるかもしれません。
ただ、このゲーム・コミック・サイトの法規制は表現の自由に抵触するという観点から、自民党内部でも反対意見もあるそうで、実際に実現するには長い道のりだと思います。
そのため、高市早苗さんが総理大臣になったとしても、ゲームの規制が行われる可能性は低いと思われます。
フォートナイトやバイオハザードは販売停止?
高市早苗さんが総理大臣になったら「フォートナイトやバイオハザードも出来なくなる?!」と不安に感じている方も多いです。
フォートナイトやバイオハザードには、ゾンビを倒すシーンがあり、確かに残虐と言える部分があります。
しかし、おそらく市場規模の大きいフォートナイトやバイオハザードのゲームが規制されることはないと思われ、特にバイオハザードは映画化もされて日本の文化産業として輸出できているため、それをあえて廃止することはあり得ないのではと思います。
万が一あるとすれば、未成年に有害と思われるゲームを規制しているドイツのように、ゲームに年齢制限が出来る可能性はありますね。
高市早苗の「ゲーム法規制」に対するネットの反応
高市早苗さんが総理大臣になった際にゲーム・アニメが法規制されるかもしれないというのは、Twitterやネットの掲示板では高い関心が向けられています。
それらのネットの声をご紹介します。
ゲームが出来なくなるのを憂う声
ゲーム愛好家からすると、高市早苗さんがゲーム規制すると過去に発言したことはかなり衝撃的なことのようで、もし高市早苗さんによって本当にゲームの法規制がされるのであれば「国外逃亡したい」「ぞっとした」「日本終わり」といった声がかなり多く投稿されています。
高市早苗さんが総理になったらゲーム出来なくなるらしいんだけど本当だったら国外逃亡案件よな
— ゆじゅ (@yuju_z) September 14, 2021
高市早苗がゲーム・マンガ等の表現規制するって聞いてゾッとしたわ
絶対に許せない、もし選ばれたらどうするんだよ、日本終わりじゃん— 刺さる気 (@mariagaichiban) September 14, 2021
しかし、高市早苗さんは全てのゲームを規制するとは言っていません。
そのため、これらのツイートは「すべてのゲームが規制される」と勘違いした人の投稿である可能性もあります。
アニメの制限を憂う声
高市早苗さんは総理大臣になったらゲーム・コミックと関連してアニメの制限もされるのではという心配する声も投稿されています。
高市早苗って人が当選したらゲームとかアニメ制限されるん?
アニメ制限したら日本なにが残るん?w— K_night (@k_night1116) September 13, 2021
このアニメ制限も、前述のゲーム同様、全てのアニメを法規制したいと高市早苗さんが言ったわけではありません。
あくまで、暴力的・性的表現があることで、公共の福祉に反するような場合に規制したいということでしょう。
ゲーム産業・雇用を心配する声
ゲーム産業やゲーム会社の雇用を心配する声も多数投稿されています。
高市早苗?さん?がアニメ漫画規制ゲームも規制しようとしてるんだけど、それを生業としてる人達の事考えてるのかな。FPSなんてプロゲーマー目指すきっかけにもなるものだし、漫画とか見てイラスト描きたくなるだろうしアニメーター、クリエーターなりたいってなるだろうしえ?娯楽潰すの?
— ぺっとぼとる (@peto_1821) September 13, 2021
高市早苗さんは総理になって欲しくない、、、。?
ゲームとかアニメとかマンガとか規制されるらしいです、、、。?人の職業奪って何がしたいんですか????— さめはだ@お迎え遅くなります (@samenoohada) September 13, 2021
「ゲーム規制」というとゲーム業界への締め付けを連想してしまいますが、しかし、高市早苗さんはむしろゲーム・アニメ業界が日本にとって大切な文化産業であると認識されています。
それは、自民党総裁選出馬表明会見での「戦略的な支援を行う」という言葉に現れています。
つまり、暴力的・性的など公共の福祉に反しないような一般的なゲームやアニメは積極的に支援を行いたいと明言しているので、一般的なゲームやアニメを扱う会社は、むしろ政府の支援のもと、海外展開や人材育成を行えるかもしれません。
そのため、一般的なゲームメーカーやプログラマーは雇用について心配する必要はないと思います。